2024/05/8
モールドベース製作を依頼する際のポイント
金型の外郭を形成するモールドベース。
入れ子ほどではありませんが安くはなく、耐食性や耐久性を考慮して特殊鋼材にする場合は、なおさらコストが気になるところです。一方で、多少手がかかってもいいので、規格品に無いような仕様でつくりたいというケースもあるでしょう。
そこで今回は、金型メーカーがモールドベース製作を依頼する際に押さえておくべきポイントについて解説したいと思います。
モールドベースについて基礎から知りたいという方は、下記の記事をご覧いただくか、資料をダウンロードしてください。
>>【技術コラム】モールドベースとは?
>>【資料ダウンロード】一から学ぶモールドベース
モールドベース製作を依頼する際に押さえておくべきポイント
金型メーカーの皆さまがモールドベースを製作する際、もしくは製作を依頼する際、どのような点を重視していますでしょうか?
まず一番に来るのは、コストと納期(製作期間)だと思います。
成形品形状や金型構造がそこまで複雑ではなく、取り数なども一般的な数量であれば、規格品として販売されているモールドベースを購入して追加工するというのが、コストダウン・納期短縮という点で基本的な選択です。
しかし、例えば、
- 成形品にヒンジ・ネジ等の部位があり、回転機構を必要とする
- 取り数が多いために、モールドベースのサイズが大きくなる
- 10枚前後の多層プレート構造
- ホットランナー等、特殊な冷却機構を必要とする
- アンダーカットがあるために、特殊なスライド機構を必要とする
- 規格品に無い特殊な材質
といったケースにおいては、規格品モールドベースへの追加工では対処できないことが多く、特注になることが多くなります。
予算取りが難しくなっている昨今では、「以前は特注で作っていたが、コストを抑えるために規格品+追加工に切り替えたい」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、コストや工数・納期を総合的に考慮して特注の方が良いという場合もありますので、「特注と規格品+追加工どちらがいいんだろう?」と迷われた場合は、モールドベースメーカーにご相談いただければと思います。
当社のモールドベース製作
当サイトを運営する有限会社サムテックは、モールドベースの特注製作や追加工において多数の実績がございます。
中でも、回転機構が伴った多数個取り金型のように構造が複雑で規格品では対応できない精密モールドベースや、SKD11・SKS3のようなHRC60前後の超高硬度材モールドベースの特注製作を得意としております。
もちろん無理に特注にするのではなく、モールドベース仕様やご予算・納期等、お客様のご要望に応じて、規格品モールドベースの追加工にも柔軟に対応させていただいております。
>>モールドベースの特注製作
>>規格品モールドベースの追加工
さらに、ギヤブロックや金型を吊り上げ成型機に取り付ける際に使用する部品等の金型周辺部品や機械部品、治具といった、高硬度材・難削材の小ロット機械加工についてもご相談を頂くことが少なくありません。
モールドベースの製作事例
当社が過去に製作したモールドベースをご紹介します。
①内ネジヒンジキャップ用ベース
こちらは、化粧品容器のヒンジキャップ向け射出成形金型に使用されるモールドベースです。ラック式ネジ回転抜き機構があることで設計が複雑になり、さらに2ヶ取りのヒンジ機構部分を精度よく仕上げる必要がありました。
②ゴム蓋金型用ベース(上下2枚型、下型)
こちらは、医療品容器のゴム蓋金型用のモールドベースの下型です。203ヶの製品を上下型で成形します。
硬度が高いG-Starを使用したので加工は大変でしたが、精度良く仕上げました。
③高耐久仕様ベース(RoyAlloy)
こちらは、化粧品容器の外キャップ用金型に使用されるモールドベースです。成形品が楕円形で、且つ内ネジを切るためのラック式ネジ回転抜き機構を設けているという点が特徴です。
モールドベースの製作依頼や技術相談等、お気軽にご相談ください
モールドベースの特注製作や追加工をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
「こういった形状・仕様でモールドベースの製作は可能か?」「特注と規格品+追加工どちらがいいか?」といった技術相談も承っております。